周りの木々がだんだんと色付いてきましたね。毎日見ていると少しず
つ景色のトーンが変わっていくのがわかります。しばらくすれば、た
くさんの葉っぱが散ってゆくのでしょうが、それも美しさのひとつで
す。冬を越して春にはまた芽生えるという、生そのものの美しい循環
です。
このあいだ本を読んでいたら「有機体」という言葉がでてきました。
有機栽培などはよく耳にしますが、動植物質の自然な肥料を使ってい
る‥みたいな感じで捉えていただけで、有機体は何のことかいまいち
ピンとこなかったので、辞典でちょっと調べながら話を読みすすめて
いきました。
ここでキーワードとなっている「有機」というのは生命力を有するこ
と。生活機能を有すること‥だそうです。ただその話の中での「有機
体」は、生物であるという意味だけに留まらず、もう少し広い意味で
のそれぞれの関係性を語っていて、すごく大切なことだと思ったので、
今回はそれをご紹介します。
「有機体は、全体で一つのものとして機能します。同時にそれを構成
している様々な器官もそれぞれが独自性をもっていて、互いに密接に
影響しあっていますが、支配や交換することはできません。それは円
環していて、その中心はエネルギーを供給しているものです。」
‥言葉を並べただけでは何だかこむずかしいですが、それを人間に置
き換えてみると、生命や臓器など、その関係性がとても簡単にわかる
と思います。
そしてもちろんこれは人間の身体のしくみだけに限らず、あらゆる関
係性、家族・職場・地域社会・世界・自然界・宇宙‥にもあてはめる
ことができることに気がつきますよね。みんなそれぞれがひとつの有
機体で、さらにそれが集まった全体でもひとつの有機体であるべきな
んです。
なのに今私たちの周り、国や世界全体はどうでしょうか? これらの
組織体は機能はしていますが、まったく有機体ではありません。権力
・階級・差別が残り、みんな平等で平和でありたいのにそうなってい
かないのはなぜでしょう? 至る所で悲しいことが起きるのはなぜで
しょう?
わたしたちはまず、一有機体である自分、個人ひとりひとりがそれに
気づくことが必要です。わたしたちが全体でほんとうの有機体になる
には、誰に限らずみんなに責任があるのです。そしてそれを理解する
には、何かに惑わされないように、ゆっくりと自然でいることがとて
も大切なのです。
‥とここまでこんな話を書いてふと思い出しました。高校生の時、理
科の必須課目で生物を一年間だけやらされたのですが、教科書のいろ
いろな挿し絵がただ気持ち悪いという理由だけでほとんど開けたこと
もなく、授業内容も全く理解しようとしていなかったのでチンプンカ
ンプン、当然テストもさんざんで、出席だけしていた私ですが、もし
かして、ほとんどの人は既にこの有機体ってことはよく知っている?
もしそうならこの関係性のこともただ忘れているだけなのかも? 数
学の難しい記号みたいに‥。そしたらあとは思い出せばいいだけです
よね‥?
それではまたお会いしましょう。