ゆるむるぅむ ~ yurumuroom

 

あるお昼間、ぽけら~っとお風呂につかって、窓の外の木を見ていた
ら、以前どこかで聞いたことのあるお話が、妙にぐぃんっと、それも
イキイキと、ぷわ~~っと浮かんできて、あたまの中に広がりました。 
‥のぼせてたわけじゃーありませんよ。

では今日は、そんな「種のおはなし」をしてみましょう。

 。。 。。 。。 
 
わたしたちは「種」として生まれました。生まれたからにはその中に
ちゃんと、花を咲かす要素を持っています。

でも、だいたいの人が、じぶんの周りに固い殻がおおっていることに
気づかずに暮らしています。

ある一瞬の、稀な機会の訪れによって、せっかくそのことにふと気が
ついたとしても、すぐにまた日々の生活に埋もれて忘れてしまうか、
そのまま殻の中でぬくぬく~だらだら~としていたり、抜け出ること
に急いだり、やっきになってもがいていたり、知らず知らずのうちに、
殻をさらにもっと強固にしていたりするのです‥。

たとえば‥、ある者はただ不安で、ぶるぶると震えています。ある者
はそのままでいることを、じぶんを取り囲んでいる周りの土のせいに
します。ある者は他にも誰か出てくる気配がしたら、その時にじぶん
もついて行けばいいんだ‥と思っています。ある者はその未知の成り
ゆきを予想してみたり、状況を分析したりして考えています。ある者
は簡単に抜け出す方法を探して本を読んだり、他の誰かに教えてもら
おうとしています。ある者はとにかくがんばれば、そのうち必ず報わ
れる‥と信じています。ある者はまだ殻の中だというのに、じぶんは
すでに芽を出し、葉も貯え、花も咲いている‥と思いこんでいます。

でも芽をだして根を張るには、まだじぶんがほんのちっぽけな「種」
だということに、気がつかないとなりません。そして種の核に隠され
ている中身の要素についても、しっかりとはっきりと、知らないとい
けません。

そしてじぶんの中に何の矛盾や葛藤もない、本来の自然であるがまま
の状態を感じて、じぶんの存在の意味を充分に理解した時にこそ、殻
はおのずと割れて、ぴょこっと芽が出て、根っこも生えてくるのです。

この「種」としての自覚と成熟は、ぜったいに欠かせません。

それとこれは「自然」の流れの中でこそ、起こりゆく動き‥だという
ことです。勝手な自己判断や、無茶をしてはいけません。

そうして殻を突っきって、太陽の光を浴び、空気に触れて、雨露にも
濡れながら、いろんな新鮮な世界に出会えたら、またさらに新たな気
づきも芽生えてきます。

誰もひとりぼっちはいないのです。植物や虫や鳥や動物たち、いろん
な生きた仲間たちが、みんなおたがいに分けあいっこしていたり、そ
こには存在する上での循環があります。

ぐんぐんと枝を伸ばし、鮮やかな葉をつけ、地中深く丈夫な根を張れ
ば、きっと、虫や鳥が遊びにきたり、巣をつくるようにもなるでしょ
う。子どもたちが木登りしたり、その葉群れの木陰で、通りすがりの
者たちが休むこともできるでしょう。

花を咲かせて、実をつけたなら、その甘い蜜や果肉を、惜しみなくみ
んなにあげることができます。辺りにはそうっと香りが漂い、風に運
ばれ、新しい種は、またどこかに運ばれてゆくでしょう。

そのように、活き活きとたくさんの季節を過ごしながら老いてゆき、
その生命を全うしたならば、最期は想いわずらうことなくバタンっ!
‥と地面に倒れるまでです。 

朽ちてゆく幹や枝や枯葉もすべて、やがていつしか別の人たちが生ま
れくるための豊かな土壌となるでしょう‥。

 。。 。。 。。 
 
どうぞよぉく噛み砕いてから、飲みこんでくださいね。その味と余韻
が、みなさんのこころに何かを刻みますように‥。

 
それでは、またお会いしましょう。